★ “子ども脳”って、なに?

さっそく「子ども脳」について説明したいと思うのですが、その前に少しだけ子どもの
「空想画」というものについて、私のエピソードも交えてお話ししたいと思います。

 私は、子どもにあるきっかけとスイッチを入れることによって急激に進化してしまう子どもの空想画を、子どもの「魔法の空想画」と名づけました。なぜなら、それらは単に「空想画」と位置づけるにはあまりにも奥が深すぎて、単純には説明できないくらい大人の理解を超えた世界が広がっていると考えたからです。

それにはいくつかの理由があげられるのですが、簡単に言えば、どうも子供たちは、たくさんの言葉やイメージをまるで画像のように何重にも瞬時に頭の中で重ねて考えることができるようなのです。そして、それらを見事に構成することができるのです。

 また、大人のように理詰めでは考えてはいかない為に、私たちには想像できないくらいの柔らかくて自由な心で、現実と空想の世界を気持ちいいくらいに飛び回ることができることにきづいたのです。
まさに、本能なのか、もって生まれたものによるものなのか・・・。

 子どもたちは、大人が普段思っている「創造力」なんてものとは比べものにならない、次元を超えているようなとてつもない力を見せつけてくれるのです。

「きっと子どもたちは、魔法を持っているに違いない!」

私はそう思いました。みなさんも、そう思った方が、簡単にこの「子どもの魔法の能力」を楽しみ、はたまた感動することができると思います。

★ 背中に町を乗せたちょうちょが大空を飛んでいる!?

子どもの「魔法の空想画」とは、お菓子でできた大きなバックの森だったり、背中に町をのせたちょうちょうが大空を飛んでいたり…、そんな子供の楽しい心を自由に表現する絵です。
心を自由に表現する楽しさを一度感じ始めた子供たちは、さらに何かを考え出したり工夫したりすることまで楽しくなり、描き始めると止まらなくなる!なんてことまで起き始めます。
ブツブツと何かをしゃべりながら絵を描く子、楽しそうに自分の絵に語りかけながら描く子、描き終わると「お母さん、見て見て」とかけよってくる子など、すぐに子どもたちに変化がおこります。
また、子供はたった1枚の絵にも実にたくさんのイメージや物語を盛り込みます。
大人の目には一見何が描かれているか分からないような絵でも、その発想を聞きだしてあげているうちに、その子が何を考え、どこまで考えているのかが分かり「ああ、こんなことをいっぱい考えて描いているのだなぁ~!」「へえ、オモシロイね、すごいねえ!」と素直に驚き、楽しむことができるようになってしまうんです。すると、子供もそんな大人の姿をしっかりと受けとめます。
大人が本気で自分の描いた絵に驚いたり、楽しんだりしてくれていると分かると、子供自身も、自分の世界を創り出すことを楽しみ始め、どんどん絵を描くようになります。そして、絵を描きながら、その子、独自の発想が自然にどんどんわいてくるようになってしまうのです。
もう、まさに連鎖反応です!
これは教える、教えないの問題ではなく、だまっていても子どもたちは、自然にとんでもない成長を見せてくれます。そしてこれは、素質だとか才能だとかの生まれつきの差に関係なく、どんな子にも起こる変化なのです。
『魔法の空想画』を通して、普段の生活からでは見ることができないお子さんの一面が見え、お子さんに対する見方が大きく変わる…言い換えれば自分の子どもを見る視点が大きく変わってしまいます。『魔法の空想画』には、そんな凄さ、魔法が秘められているんです!
私が子どもたちのそんな凄い力と出会ったのは、以前開いていた子ども絵画教室でのこんな出来事からでした。
<何気なく、子どもの描いてくる絵の題名を見ていた時のことです。>
ふーん、おもしろいなー、子どもらしいなと、気楽に考えていたのですが、ふと、私の中にある“ひらめき”が生まれたのです。
“子どもらしい題名だ”なんて、満足している問題ではなく、もしかしたら理屈の通らない題名でも、この子どもたちは絵が描けるのかもしれない。
「ちょっと実験してみよう」
「よーし、じゃあ、今度の題名は(教室の中を見回しながら)『絵の教室の時計の花のバケツの遊園地』」
この題名はかなりメチャクチャだ。さて、子どもはどんな反応をするだろう。
「ふーん、わかった」
どうしたんだろう、本当に分かったのだろうか?
題名の意味が分かっているのだろうか?
しばらくして、
「先生、できたよー」
おそるおそるその絵を見たとき、後ろからハンマーで思いきり頭を殴られたように感じたのです。
その絵は、本当に見事にあのメチャクチャな題名の絵になっていたのです。
何なのだろう、どうしてこんなことができるのだろう。しばらく信じられませんでした。
もう一回やってみよう!
「よーし、じゃあ次の絵をいくぞ」 子どもに気づかれないように、そっと周りを見回しながら(ちょっとしたカンニングです)
「机の中の自転車がころんでアイスクリームになった学校」
と画用紙の裏に題名を書きました。
「わかった、じゃーかいてくるね」
「えー、そんなに簡単に分かっちゃうの!?」やはり信じられませんでした。
「先生、できたよー」
また楽しそうに絵を持ってきました。その絵も、またまた見事でした。
これには何かがある、何かが変だ。題名という概念もしっかり分かっているようだし、この子が特別に天才なのだろうか?
そこで、他の子どもたちにも試してみることにしました。その結果、どの子も同じように見事な絵を描いてきたのです。これは凄い、面白い、言葉がでません。
それらの絵は、私の想像をはるかに超えていたのです。私がとても描けないような絵を、この子どもたちはスラスラ描いてくるのです。この時初めて、子どもは私と違うのだ!ということを強く認識したのです。

★ 右脳か、左脳か、子ども脳か?

よく右脳はイメージ、左脳は論理といわれます。大人になると、どうしても左脳でいろいろなことを考えたり行動したりします。私もほとんどが左脳で考え、ときどき右脳で作業したりしています。(あくまで私の感ですが・・・)
どうも子どもたちの行動をみたり、絵を描くところをみていると、子どもたちは理屈や理論で考えているのではなく、イメージで捉えることができるようです。
例えば、「絵の教室の時計の花のバケツの遊園地」という題名で絵を描こうとすると、絵・教室・時計・花・バケツ・遊園地という言葉を一つ一つ写真の画像と捉えて、それを何重にも重ねてゆくようなことが、彼らの頭の中で簡単におこなわれているような気がします。しかも画像を重ねてゆきながら、新しいイメージや物語が生まれてくるようです。また、それだけでは説明できない現象もたくさん見ることが出来ます。
もしかしたら子どもたちには、子どもだけが持つ魔法の頭脳“子ども脳”があるのかもしれません。
私たちは普段、なかなかこの子どもの凄さに触れるチャンスがありません。
あなたも「魔法の空想画」を使って、子どもたちが持っているこの不思議な能力を楽しんでみませんか?

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